オランダで新生児の鼻づまり|生理食塩水で「押し流す」ケアと、救急外来までの記録
公開: 2026-07-25
長男が生まれた月は、ちょうど長女(1歳6ヶ月)が保育園に通い始めた月でもありました。
「保育園に行き始めたら絶対風邪をもらってくるよ。家族全員にうつるよ」と周りに散々言われていたのですが、まさか出産と同時にそれが来るとは。しかも一番つらかったのは、生まれたばかりの長男の鼻づまりでした。
新生児の鼻づまりでオランダのどこに相談すればいいのか、実際に私たちがたどった流れ(ミッドワイフ→GP→consultatiebureau→救急外来)と、そこで教わったオランダ流の鼻ケアを記録しておきます。
出産直前、家族が順番に倒れていく
出産の5日ほど前、保育園に通い始めたばかりの長女が初めての風邪をもらってきました。発症2日目には39度近くまで一気に発熱。パラセタモール(オランダでよくお世話になる解熱剤・鎮痛剤)を飲ませて、リビングのソファで一緒に寝ながら看病しました。熱は2日ほどで下がってくれたものの、今度は私にうつり、サポートに来てくれた日本の両親も移動疲れか別の風邪でダウン気味、夫も発症…。
私はなんとか熱が下がった状態で最後の妊婦健診に行き、家族みんなが風邪をひいている中での出産となりました。長女はその週は保育園をお休みさせましたが、一度落ち着いたと思った風邪をぶり返したりで、家族全員が順番にやられていきました。
生後4日目、長男がくしゃみを始めた
長男は生まれてから3〜4日はスースーとよく寝ていました。私の部屋である程度隔離するようにしていて、両親が長女を外に連れ出してくれてもいたので、接触は少なかったはずなのですが…生後4日目ごろからくしゃみが増え、鼻水が出てきて、鼻がフガフガ言い始めました。
ここで初めて知ったのですが、一般的には生後3ヶ月まではまだ口呼吸ができません(できるようになるのはもっと先)。だから鼻が詰まると、呼吸が苦しくなるだけでなく、おっぱいやミルクが飲めなくなる可能性もあるんです。
うちの長男もミルクは何とか飲めていたものの、寝つけない、飲みづらい、呼吸がハフハフ言っている。見ていて本当に苦しそうでした。
クラームゾルフ(産後ケア)さんの指示で、まず生理食塩水の鼻スプレーを使い始めましたが、これだけではあまり良くなりませんでした。
誰に相談する? ミッドワイフ→GPの流れ
オランダでは産後6週まではミッドワイフ(助産師)がお母さんと赤ちゃんの相談窓口です。なのでまずミッドワイフに電話したところ、「これはうちでは対応できないからGPに電話して」とのこと。
GP(家庭医)に電話すると、新生児ということで「今日来ていいよ」と即日で診てくれました。長女の乳児湿疹のときはGPに何度も「様子見」でかわされた我が家ですが、今回のGPの対応は良かったです。新生児の場合、症状がでていたら優先度を上げてすぐに見てもらえます(ミッドワイフも言っていました)。
処方されたキシロメタゾリン点鼻薬と、その注意点
生後3週間ごろ、GPでキシロメタゾリン(xylometazoline)の点鼻薬を処方されました。鼻の通りを良くする薬で、噴射すると一時的に劇的に楽になり、久しぶりにちゃんと寝てくれるようになりました。
処方されたキシロメタゾリン0.025%。市販の子ども用の半分の濃度
処方で出たのは、調剤薬局(apotheek)が調製した**0.025%(1mlあたり0.25mg)**のスプレーでした。あとで市販品の棚を見て気づいたのですが、これは市販の子ども用(0.5mg/ml)のさらに半分の濃度。赤ちゃんにはこうして薬局で薄く調製されたものが処方の形でだけ手に入る、というわけです。ちなみに開封後は1ヶ月しかもちません。
ただしこの薬、強い薬です。処方時の指示は:
- 1日3回まで
- 1週間以上続けてはいけない
市販でも買えますが、パッケージの対象は2歳以上。生後1ヶ月未満で使うのは本来まれなケースで、あくまで医師の指示があったから使った、というものです。そして実際、使うと一時的には良くなるものの、根本的には治りませんでした。1週間で使用をやめ、また生理食塩水でしのぐ日々に戻りました。
Kruidvatの鼻スプレー棚を見てみると
このキシロメタゾリン、オランダのドラッグストア(KruidvatやEtos)に行くと棚にずらっと並んでいます。子ども用の棚(NEUSVERKOUDHEID KIND)はこんな感じです。
Kruidvatの鼻かぜコーナー。左上段が子ども用、下段が12歳以上用
見方が分かると、実は綺麗に整理されています。
- 生理食塩水(zoutoplossing / zeezout=海塩)のスプレー: 「baby & kind」表記で赤ちゃんから使えるもの。使い切りタイプ(monodose)や、ユーカリ・カレンデュラ入りなどのバリエーションも。€4〜6程度
- キシロメタゾリン 0.5mg/ml: 「voor kinderen 2-12 jaar」=2〜12歳用
- キシロメタゾリン 1mg/ml: 「vanaf 12 jaar」=12歳以上・大人用(下段)
つまり、棚をよく見ると2歳未満の赤ちゃんに使える「鼻を通す薬」は市販には存在しないんです。赤ちゃん向けはあくまで生理食塩水系のみ。うちが処方してもらった0.25mg/mlのような弱い濃度は、処方箋を受けて薬局が調製してくれるものです。2歳未満の鼻づまりで悩んだら、自己判断で買わずにGPや薬局(apotheek)に相談してください。
それでも治らず、救急外来へ
生後1ヶ月を過ぎたころのconsultatiebureau(乳幼児健診)の定期アポで、これまでの経過を説明しました。診てもらうと、呼吸のたびに胸のあたりが大きく上下していることを深刻に捉えてくれて、その場で大きな病院の小児科に紹介。話を通してくれていたので、ハーグの**HagaZiekenhuis(ハーガ病院)**の救急外来にそのまま向かいました。
Hagaにはユリアナ小児病院(Juliana Kinderziekenhuis)が併設されていて、0〜18歳の子どもを24時間診てくれる子ども専用の救急外来(Kinder-SEH)があります。待合室も大人と別で、おもちゃが置いてある子ども仕様です。
費用面の記録も残しておくと、救急外来ではまず300ユーロを実費で支払いました。うちの場合は後日、保険で全額カバーされましたが、カバーされるかどうかは契約によります。
肺炎などの感染がないかの検査をしてもらった結果は、特に問題なし。ほっとしました。
そしてここで教わった処置が、今回一番の学びでした。
オランダ流「生理食塩水で押し流す」
処置は、生理食塩水をスプレーではなくノズル(スポイト)で大量に流し込むというもの。片方の鼻から勢いよく入れて、反対側から鼻水ごと押し流します。片方で1本を2プッシュほどで使いきっていました。
日本だと「生理食塩水を数滴たらして、鼻吸い器で吸う」イメージだったので、この豪快さには驚きました。オランダの医療機関では鼻吸い器はあまり推されていない印象で、とにかく「流す」。実際、長男はこの処置でだいぶ楽になり、帰宅後も生理食塩水のフラッシュを続けるうちに、徐々に落ち着いていきました。鼻水が出始めてから1ヶ月ちょっと続いていて大変でした。
実際に使用した鼻用の生理食塩水です
うちで使っていたのは OtriCare baby Monodose(Haleon)です。5mlの使い切り小瓶が18本入りで、中身は滅菌済みの生理食塩水(NaCl 0.74%)。ドラッグストアの棚の分類でいうと「baby & kind」の生理食塩水系にあたるものです。使い切りタイプなので開封後の衛生面を気にしなくてよく、1本をそのまま「押し流す」用に使えるのも、この処置と相性が良かったです。
なお、キシロメタゾリンについては病院で「今後は使わないで」と言われました。使いすぎると逆に鼻の粘膜が腫れて、余計に詰まってしまうそうです。一時的によく効く薬ほど、使い方には注意ですね。
まとめ
- 新生児は口呼吸ができないので、鼻づまりは「よくあること」と流さず観察を。胸が上下するような呼吸はすぐ受診
- 相談の流れ: 産後6週まではまずミッドワイフ→対応外ならGP→consultatiebureauの定期健診でも必ず共有
- 市販の子ども用鼻スプレーは2歳以上。2歳未満に使えるのは生理食塩水系のみで、それ以外は必ず医師の指示で
- オランダ流の鼻ケアは「生理食塩水で押し流す」。スプレーで足りなければ受診を
- 救急外来はまず300ユーロの実費(当時。うちは後日保険で全額カバー。契約により異なる)
新生児期のドタバタは長男の出産体験記、GP・小児科まわりの経験は長女の乳児湿疹の記録にも書いています。
※この記事は我が家の体験談です。薬の使用可否や受診の判断はお子さんの状態によって全く異なるので、必ずGP・ミッドワイフ・薬局など専門家の指示に従ってください。